2018年に大谷選手とともにエンゼルスへ加入した当時、水原氏の立場はあくまで「球団雇用の一通訳」に過ぎなかった。だが、大谷選手が前人未到の二刀流でMVPを獲得し、世界的なアイコンへと駆け上がるにつれて、水原氏の職務領域は単なる言語の橋渡しを大きく超えていく。
運転手、スケジュール管理、メディア対応のスクリーニング、練習パートナー、果てはプライベートのサポートまでを一手に引き受ける「24時間年中無休のパーソナルマネージャー」。その献身ぶりに応える形で、給与水準も右肩上がりに見直された。ドジャースへの移籍時には、大谷選手の歴史的超巨額契約の舞台裏で、水原氏にも通訳として最高峰の待遇が約束されていたのである。
皮肉なことに、この「絶対的な信頼」と「多忙を極める密着生活」こそが、周囲のチェック機能を完全に麻痺させた。球団や代理人は大谷選手への連絡窓口を水原氏に一本化せざるを得ず、巨額の銀行口座へのアクセス権限を単独で掌握する土壌を生み出してしまった。