東京・浅草。寄席の看板が並ぶこの街は、彼らのホームグラウンドだ。昭和の演芸ブームの真っ只中、楽屋裏の緊張感と客席の熱気が混ざり合う空間で、彼らは毎日のように舞台に立ち続けた。テレビの普及とともに多くの芸人が活動の場を移す中、彼らは劇場の生々しい空気を何よりも大切にしていた。
目の前のお客さんを笑わせる。そのシンプルな目的のために、どれほどの汗が流されたか想像に難くない。舞台袖から見つめる後輩たちの眼差しもまた、彼らの背中を大きくしていった。浅草の灯を消さないという強い意志が、その軽妙な語り口の裏には常に秘められていたのだ。