裁判が進むにつれ、事件の凄惨なディテールが明らかになるたび、遺族の無念と怒りが法廷を満たす。それと同時に、加害者家族に対しても「なぜ止められなかったのか」「親の育て方に問題があったのではないか」という厳しい視線が注がれ続ける。
法的には、成人(あるいはそれに準ずる年齢)の犯した罪について、家族が刑事責任を問われることはない。しかし、日本社会において「身内の不始末」に対する道義的責任の追及は極めて苛烈だ。家族は被害者遺族への謝罪と賠償という重い十字架を背負いながら、自らの生活を維持しなければならないという二重苦に直面している。