ブランド牛としての基準は厳しい。能登牛銘柄推進協議会が定める認定基準では、石川県内で最長飼育された黒毛和種であり、肉質等級がA3・B3以上であることが求められる。中でも最高の栄誉とされる「能登牛プレミアム」は、A5等級またはB5等級であり、かつ脂肪中のオレイン酸含有率が55%以上という極めて高いハードルをクリアした個体だけに授与される。
オレイン酸は、牛肉の風味や口溶けの良さを左右する重要な不飽和脂肪酸だ。一般的な国産和牛のオレイン酸含有率は45%〜50%程度とされる中、能登牛の豊かな脂肪は噛んだ瞬間に芳醇な香気を放ち、胃にもたれない極上の後味をもたらす。この化学的にも証明された「究極の旨味」こそが、多くの美食家を虜にしてやまない理由なのだ。