高校野球におけるグラブの規制は、投手と野手で大きく条件が異なる。投手用グラブにおいては、打者の視界を惑わせないための配慮が極めて厳格だ。使用できる本体カラーはブラウン系やブラック、オレンジ系などに限られ、ツートンカラーや派手な配色、打者の目に入る位置への白いシーム(縫い糸)は厳しく制限される。さらに、親指や小指部分に入れる刺繍に関しても、個人名や座右の銘などの文字刺繍は原則として認められていない。グラブ側面に刻めるのはメーカーのロゴマーク1点のみという徹底ぶりだ。
一方、野手用グラブでも刺繍や色使いに関する制限が存在する。ウェブ部分のデザインや紐の色、ヘリ革のカラーバランスに至るまで、審判団のチェックが入る。例えば、投手以外の野手であっても、白や灰色のグラブ本体は使用不可であり、ハミダシ部分のカラー指定や刺繍の大きさ・位置にも細密な規定がある。せっかく手になじんだ愛用のグラブであっても、大会直前の用具点検で「違反例」と判定されれば、本番で使い慣れない代替品に持ち替えざるを得なくなるリスクを背負うことになる。