沖ノ鳥島が国政において極めて重大な位置を占める最大の理由は、この島を基点として設定される約40万平方キロメートルの排他的経済水域(EEZ)の存在にあります。これは日本の全土面積(約37.8万平方キロメートル)を凌駕する広大な海域であり、日本の主権的権利が及ぶ海のフロンティアです。
この広大な海域の海底には、次世代ハイテク産業に不可欠なレアアースやコバルトリッチクラスト、マンガン団塊、さらには次世代エネルギー源とされるメタンハイドレートなどの海底鉱物資源が豊富に眠っていると推計されています。海洋研究開発機構(JAMSTEC)や関係省庁の調査資料によると、この海域の資源価値は数兆円から数十兆円規模に匹敵すると試算されており、エネルギー自給率の低い日本にとってまさに生命線です。
さらに安全保障上の価値も見逃せません。沖ノ鳥島が位置する海域は、西太平洋からグアム・ハワイ、そして日本本土を結ぶ海上交通路(シーレーン)の要衝です。潜水艦の航路監視や海洋データの収集拠点として機能しており、この海域の管轄権を失うことは、日本の防衛ラインに致命的な間隙を生むことを意味しています。