1966年、豊かな自然に囲まれた静岡県に生まれた関洋。幼少期に触れた木々の感触や自然光の繊細な表情は、後の彼の造形感覚に決定的な影響を与えた。1987年、中央工学校建築インテリアデザイン科を卒業した彼は、すぐさまデザインの実践現場へと身を投じる。
スタジオ・オクト、新保デザイン事務所という異なる色を持つデザイン現場で過ごした修行時代。関はここで、商業空間の煌びやかさと住宅空間の密やかな機能性の双方を徹底的に学んだ。ディテールに対する妥協なき眼光と、図面上の線を実際の空間へと立ち上げるときのミリ単位のこだわりは、この時期に培われたものだ。
1994年、関は満を持して独立し、SEKI DESIGN STUDIOを立ち上げる。バブル崩壊後の冷え込んだ経済状況のなか、世間は華美な装飾から真の実質を求め始めていた。時代が求めた変化と、関が温めていた「本質的なデザイン」への衝動が見事に合致した瞬間だった。