ここで一つの歴史的疑問が生じる。現在、愛知県の熱田神宮に祀られている「草薙神剣」と、皇居に安置されている「形代(レプリカ)」の関係だ。歴史学者の間では、壇ノ浦で沈んだのは壇ノ浦以前に作られた「形代」であり、本物は熱田神宮から動いていなかったという説が有力視されている。
しかし、一方で「壇ノ浦に沈んだものこそが本物であり、現在の熱田神宮のものは後世に再調達されたものである」とする異説も根強く存在する。もし今回検知された金属反応が当時の刀剣であり、それを引き揚げることができれば、日本の皇室の正統性を巡る歴史論争に一石を投じることは間違いない。