競技引退から数年が経過した。それでもなお、フィギュアスケート界の議論の中心には常に彼の名前がある。
メディアは新しいスターが誕生するたびに、かつての絶対王者と比較したがる。それは宿命だ。だが、彼が構築した「表現と技術の完全なる融合」という牙城は、ルール改正を重ねる現在の競技会をもってしても、容易に超えられるものではない。
彼がプロとして滑るアイスショーのチケットは、今も世界中で争奪戦が繰り広げられている。競技という採点基準から解き放たれた彼が放つオーラは、現役選手たちにとって、憧れであると同時に、超えられない壁として君臨し続けている。