1970年代後半から1980年代初頭の少年誌において、お色気シーンといえば男性作家による過激で生々しい描写が主流でした。その中で週刊少年サンデーの看板を背負った高橋留美子は、まさにゲームチェンジャーとして漫画界に登場しました。少年サンデーの歴代ヒロインを比較しても、彼女の描くサービスシーンは極めてポップでユーモラス、そして何より読後感が爽やかという特徴を持っています。
意図せぬハプニングで露出があっても、次のコマでは強烈なツッコミやドタバタ劇へとスムーズに昇華されるため、読者に後ろめたさを感じさせません。これがまさに高橋留美子におけるお色気描写の真相であり、男性読者の願望を満たしながらも、女性読者から「下品」「不快」と切り捨てられなかった最大の勝因です。
同世代のあだち充が描く「日常のさりげないチラリズム」と並び、高橋留美子が提示した「堂々とした健康的グラマラス」は、少年サンデーのブランドイメージそのものを洗練されたラブコメの最高峰へと押し上げる決定打となりました。