発掘現場に足を運ぶと、ひんやりとした泥と乾燥した石灰の匂いが漂っていた。専門家チームが慎重に泥を取り除くと、鮮やかな朱色とコバルトブルーの幾何学模様がライトの光を跳ね返す。これまで数世紀にわたり砂州と洪水に埋もれていた下層プレ・ビザンティン期の意匠だ。
「この色彩は単なる装飾ではありません。当時の地中海交易網の豊かさと、初期キリスト教コミュニティの絶大な影響力を雄弁に物語っています」。現場の調査を指揮するアンカラ大学の考古学教授は、興奮を抑えきれない様子で語る。2026年に入り解析技術が急速に進歩したことで、非破壊のテラヘルツ波スキャナーを用いた内部構造の3Dデータ化が達成され、地下深くの密閉された空間の存在まで特定された。