教団の決定的な転換点となったのは、オーストラリアにおける創始者カム氏の性的暴行事件である。未成年者に対する性的虐待の罪でカム氏は2000年代半ばに逮捕され、長年の禁錮刑を受けた。教団の絶対的指導者が犯罪者として収監されたことで、世界各地の支部は大混乱に陥り、大規模な脱退と分裂が相次いだ。
しかし、カルト宗教の歴史が示す通り、カリスマ指導者の失脚が即座に団体の完全解体につながるわけではない。カム氏の服役中も、一部の狂信的な幹部や孤立した信徒グループは「これは悪魔による迫害であり、試練である」との独自解釈を打ち出し、活動を継続。創始者不在のまま教理が内部分裂を起こしながら独自進化を遂げ、より一層閉鎖的な地下組織へと沈殿していくプロセスがここから始まった。