ズートピアのキャラクターデザインが他を圧倒している最大の理由は、動物本来の骨格構造を巧みに残しながら人間的な動作を組み込んでいる点にある。例えばジュディの場合、頭部はウサギの球体に近く設定されているが、首から下は人間に近いS字ラインを描く。作画の第一歩としては、頭身のバランスを正確に把握することが不可欠だ。ジュディは3.5〜4頭身、ニックは5〜5.5頭身という独自の黄金比率が存在し、この基本フレームを無視すると「ただのケモナーイラスト」あるいは「かぶりものをした人間」になってしまう。
アタリを取る段階では、背骨のライン(アライン・オブ・アクション)を一本流すことから始める。キャラクターが立つ、走る、佇むといった動作の「勢い」をこの一本の線で決定づけることで、ディズニー特有の生き生きとしたダイナミズムが生み出されるのだ。