SNS上の自殺募集がもたらす破滅的な結末を語る上で、避けて通れないのが2017年10月に発覚した座間9人殺害事件です。神奈川県座間市のアパートの一室から、クーラーボックスなどに入れられた男女9人の遺体が発見されたこの事件は、日本社会に底知れぬ衝撃を与えました。
犯人の男は、SNS上で「#自殺募集」「死にたい」と投稿していた主に10代から20代前半の若い女性たちに計画的に接近。「一緒に死にましょう」「話し相手になります」と偽りの共感を示して自室へ誘い込みました。しかし、現場で行われたのは自殺の幇助などではなく、失神させた上での性的暴行、所持金の強奪、そして無残な殺害でした。
当時の裁判記録や被告人の手記、公判廷での生々しい証言によると、犯人は「本当に死にたがっている人間など一人もいなかった」「抵抗されたが首を絞め続けた」と冷酷に述懐しています。弁護側は「被害者らの承諾があった(承諾殺人罪)」と主張したものの、東京地裁立川支部は2026年12月、すべての被害者において殺害の承諾は一切成立していなかったと明確に認定。犯人に対して死刑判決を言い渡し、2026年1月に刑が確定しました。
座間事件の経緯と真相が暴いた決定的な教訓は、ネット上で自殺を口にする人々の脆弱性に付け込み、自らの歪んだ欲望を満たす「快楽殺人者」や「捕食者」が確実に網を張っているという冷徹な現実です。