30代、40代を経て、井川遥は単なるモデル・女優の領域を飛び越え、同世代の生き方を牽引するファッションリーダーとしての地位を確立した。自身がディレクションを手掛けるブランド「Herato(ヘラート)」や「Lionn(ロワン)」の立ち上げは、その象徴的な出来事だ。
服に着られるのではなく、着る人の日常に寄り添い、仕立ての良さとシルエットの美しさで身体をきれいに見せる。妥協のない素材選びとデザインへのこだわりは、服飾関係者の間でも高く評価された。若い頃に培った見せられる側の経験が、作る側の緻密な感性へと結実した瞬間だった。