こうした身体や下着に対する意識の大きな転換期において、重要な役割を果たしたのがエンターテインメント産業だ。かつて日本のメディアにおいて男性の下着姿は、単なるコメディの小道具か、あるいは記号的な演出として扱われることが多かった。しかし、ストリーミング時代の到来がその文脈を根底から書き換えた。
山田孝之が主演を務め世界的なヒットを記録したNetflixのドラマシリーズ『全裸監督』は、昭和から平成にかけての欲動と人間模様を描き出し、従来のタブーを鮮やかなエンターテインメントへと昇華させた。また、U-NEXTなどで配信される海外のコメディ・ドキュメンタリーやカルチャー系コンテンツも、男性の身体性やファッションをよりオープンかつ知的に論じる機運を後押しした。
歴史を遡れば、東宝による名作映画の数々や、集英社をはじめとする大手出版社が発行してきたコミック誌・男性誌が形作ってきた「カッコよさ」の定義も、時代とともに変容している。肉体美の誇示から、個人の快適性や自己ケアの充足へと軸足が移る中で、下着という最もパーソナルな衣類が脚光を浴びるのは自然な流れと言える。