気候の変化は、埼玉が誇る農業の現場にも深刻な影響を及ぼしている。深谷市を中心とするブランド野菜「深谷ネギ」の圃場では、収穫期の極端な長雨や乾燥の繰り返しにより、根腐れや生育不良を防ぐための土壌管理が難化。農家たちは水はけを改善するための暗渠排水設備を拡充するなど、死活問題として防衛策を講じている。
秩父地方の観光農園でも試練が続く。イチゴやブドウの栽培において、夜間の気温が下がりにくくなったことで果実の色づきや糖度のコントロールに細心の注意が必要となった。ハウス内の温度を自動制御するヒートポンプや、遮光ネットのAI自動開閉システムを導入する農家が増加しており、スマート農業への投資速度がこれまでにないスピードで加速している。