所在地である愛知県長久手市の森は、かつて2005年の万国博覧会が開催された歴史的スポットだ。その広大な愛・地球博記念公園の地形や樹木を極力壊すことなく、景観に溶け込むよう設計された点が他に例を見ない。木漏れ日の中を散策していると、まるでスクリーンの中の風景に自分がふっと迷い込んだかのような錯覚に囚われる。
スタジオジブリが長年培ってきた物語の構想力が、実在の建築物や植生として物理的に具現化されている。コンクリートと鉄骨の冷たさではなく、木の温もりや土の香りが支配する敷地内は、足を踏み入れる者の五感を静かに揺さぶる。