伊黒を語る上で欠かせないのが、恋柱・甘露寺蜜璃との関係性だ。一見すると対極に位置する二人だが、伊黒にとって蜜璃は、暗闇に閉ざされた人生に差し込んだ唯一の光だった。彼の冷徹な態度の裏には、自分自身の血の穢れを嫌悪し、「まともな人間に生まれ変わったら、彼女に想いを伝えたい」という切実な願いが隠されていた。
最終決戦の最中、そしてその後に交わされた二人の対話は、多くのファンにとって涙なしには見られない名シーンだ。来世での再会を誓い合う彼らの姿は、単なる恋愛描写を超え、魂の救済の物語として昇華されている。この純粋すぎる愛の形が、タイパや即物的な関係が重視されがちな現代において、逆に新鮮で尊いものとして受け入れられている。