ディズニーのキャラクター同様、日本のプロ野球界におけるマスコットの「中の人」に関する話題は極めてセンシティブだ。夢を壊さないため、という建前はある。だが、つば九郎の場合は少し事情が異なる。
彼の魅力は「メタ発言」や「大人の事情」をブラックジョークにすることだ。つまり、ファン自身が「中に大人が入っていること」を前提として楽しんでいる稀有なキャラクターなのである。それにもかかわらず、具体的な個人名が公式に明かされないのはなぜか。それは、個人の名前を出した瞬間、つば九郎という「概念」が持つ自由度が失われてしまうからだ。特定の誰かではなく、誰もが知る「あのペンギン(正しくはツバメ)」であり続けるからこそ、政治風刺も球界への毒舌も許されるのである。