二世タレントというレッテルは、デビュー当時の英一郎を苦しめた。何をやっても「船越英二の」という枕詞がついて回る。その呪縛を解き放ったのが、1980年代後半から台頭した2時間サスペンスドラマだった。
崖の上での対峙、複雑に絡み合う人間模様、そして最後に明かされる切ない真実。彼はこのジャンルで泥臭く、しかし圧倒的な熱量を持って演じ続けた。気がつけば、「サスペンスの帝王」と呼ばれる唯一無二のポジションを築き上げていたのだ。親の七光りではない。自らの足と喉、そして演技力でもぎ取った、彼だけの勲章だった。