寺島進のキャリアは、決して華やかなスポットライトの下で始まったわけではない。彼が役者を志し、門を叩いたのは「三船芸術学院」だった。昭和の大スター・三船敏郎が設立したこの学校で、彼は徹底的に身体を鍛え上げられる。
当時の彼は、いわゆる「斬られ役」やスタントマンとしての仕事がメインだった。スタントチーム「野木グループ」に所属し、危険なアクションをこなす日々。車に跳ね飛ばされ、高い場所から落下し、泥にまみれる。主役の引き立て役として徹底的に痛めつけられる中で、彼の肉体と精神には「本物のタフネス」が染み込んでいった。この泥臭い下積み時代こそが、後に彼が演じるアウトロー役に、言葉以上の説得力を与えることになる。