実際の現場やセルフ施工で頻発する失敗の筆頭が、残存したシリコンシーラントの処理甘さだ。シリコン系素材は非常に高い撥水性と耐候性を持つ反面、その表面には新しいシーリング材はもちろん、塗装や接着剤すら一切密着しないという特質を持つ。ほんの少しでも古いシリコン膜が残っていると、どれほど高価な新品を充填しても、数ヶ月足らずでペロリと剥がれてしまうのだ。
防水施工技能士は「撤去後の清掃作業こそが、施工の8割のクオリティを決める」と口を揃える。道具で物理的に古い削りカスを除去した後は、必ずアセトンや専用脱脂溶剤を含ませたウエスで目地内を徹底的に拭き上げ、目に見えない油脂分や微細粉塵を取り除かなければならない。さらに作業動画が多数公開されているYouTubeなどの事例を参考に、マスキングテープの貼り方やプライマー(下塗り材)の塗布工程を抜かりなく実行することが、長期にわたる水漏れ防止のお約束だ。