睡眠の影響は骨や筋肉の成長だけにとどまりません。睡眠は子どもの脳神経ネットワークの構築と記憶の定着において中心的な役割を担っています。昼間に見聞きした膨大な情報は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す中で海馬から大脳皮質へと整理・固定されます。
反対に、慢性的な睡眠不足に陥った幼児には以下のような悪影響が現れやすくなります。
- 情緒の不安定化:感情のブレーキを司る前頭前野の働きが低下し、かんしゃくや攻撃性、注意散漫が目立つようになります。
- 免疫力の低下:感染症にかかりやすくなり、体調不良を頻繁に繰り返す要因になります。
- 肥満リスクの増大:食欲を刺激するグレリンが増加し、満腹感を与えるレプチンが減少するため、過食傾向になりやすくなります。
自然な入眠を促すためには、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌バランスを整えることが欠かせません。朝に太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、その約14〜16時間後にメラトニンが分泌されて心地よい眠気が訪れます。夜間にスマートフォンやタブレットのブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、脳が「まだ昼間だ」と誤認して寝つきが悪化します。