机の前に座ることすら不可能な状態に追い込まれた冨樫氏が見出した執筆法が、「仰向けに寝転がり、枕やクッションを背中に挟んで視界を確保しながら原稿を描く」という前代未聞のスタイルです。筆圧をコントロールしにくく、長時間の維持も困難な体勢ですが、現在はこの独特な姿勢で少しずつネームやペン入れが進められています。
この過酷な闘病生活をプライベートと制作現場の両面で支えているのが、妻であり『美少女戦士セーラームーン』の原作者である武内直子氏です。武内氏は冨樫氏の体調管理を徹底してサポートするだけでなく、アシスタント作業や彩色、背景の指示系統に至るまで多大な協力を行っていると伝えられています。家族の強固なバックアップと本人の執念が、今なお作品を生み出し続ける原動力となっています。