この病気の最も残酷な症状と言えるのが、極めて高い確率で発生する嗅覚障害です。鼻茸が鼻腔上部の「嗅裂」と呼ばれるにおいを感じる神経エリアを物理的に塞ぐだけでなく、好酸球から放出される炎症物質が嗅神経の細胞そのものにダメージを与えるため、完全に匂いを感じなくなる「嗅覚脱失」に陥るケースが多発します。
匂いが消えることは、単に風味が楽しめなくなるだけでなく、ガス漏れや食べ物の腐敗に気付けないといった命の危険にも直結します。精神的なストレスや抑うつ状態を引き起こす患者も少なくありません。
さらに見逃せないのが、成人気管支喘息の合併率が約50%以上に達するという事実です。医学界では「One airway, one disease(ひとつの気道、ひとつの病気)」という概念が確立されており、鼻から肺に至る呼吸器全体で同一の「2型炎症」が連鎖します。特にアスピリンなどの解熱鎮痛薬で重篤な喘息発作を起こす「アスピリン不耐症(アスピリン喘息)」を合併している場合は、最重症例として厳重な管理が求められます。