プロの舞台としてだけではない。大学バスケットボール(関東大学リーグ)の「聖地」としての顔も、この場所の価値を決定づけている。青山学院大学バスケットボール部をはじめ、数々の名選手がこのコートで汗を流し、伝統を紡いできた。床の弾む音、バッシュが刻むキュッという摩擦音は、若者たちの青春の軌跡そのものだ。
特にインカレや伝統の対抗戦で見せた熱気は、営利目的のイベントにはない純粋なエネルギーに満ちていた。メガホンを叩く学生たちの歓声が校舎の壁にこだまし、キャンパス全体がスポーツの熱に包まれる。そうした光景を生み出し続けた空間設計は、現代の機能性優先の建築にはない「人間味」を醸し出していた。