五円玉の素材は、銅60〜70%、亜鉛30〜40%の割合で配合された「黄銅(真鍮)」だ。仏具や金管楽器にも使われる美しい金属だが、非常に酸化しやすいという弱点がある。
新品のときは眩しいほどの金色を放っている五円玉も、流通する過程で人々の手垢(油分や酸)に触れ、空気中の酸素と結びつくことで「酸化銅」の被膜を形成する。これが、あの独特の茶褐色や黒ずみの正体だ。さらに湿気の多い場所に放置されると、「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる青緑色のサビが発生することもある。これらを落とすには、物理的に削るのではなく、化学反応で酸化膜を分解するのが最も賢い選択となる。