漢字の成り立ちや字形の変遷に詳しい国語学の権威、早稲田大学の笹原宏之教授らは、漢字の骨組みや筆順の歴史的背景について多くの著作で言及している。水辺や潮の満ち引きを示す「潟」の字は、古くから地域名や風土と深く結びついて形作られてきた。
文字の歴史をさかのぼると、手書きの時代には筆の運びを滑らかにするための様々な略体や筆順が存在した。笹原教授らの研究が明かすように、現代の常用漢字として定着した字体も、過去の活字化や教育政策の過程で整理された経緯を持つ。字形の裏にある文化的なストーリーを知ると、単なる暗記対象だった漢字が、にわかに生き生きとした表情を見せ始める。