二度目の脳梗塞を発症して以降、西城秀樹の日常は過酷を極めるリハビリの日々だった。言葉が思うように出ない。足が前に出ない。それでも彼は毎日数時間に及ぶ過酷なトレーニングを自らに課した。目指したのは、再びステージに立ち、ファンの前で完璧な歌声を発すること。リハビリ施設で見せた彼の表情は、スターの華やかさとは対極にある、凄絶な表現者の闘いそのものであった。
未公開のラストステージ写真や舞台裏の記録には、出番直前まで必死に発声練習を繰り返し、スタッフに支えられながら足を踏み出す彼の姿が収められている。遺族が明かした「最後の言葉」には、家族への深い愛情とともに、「歌いたい、もっとみんなのもとへ届けたい」という表現者としての純粋な欲求が込められていた。最期までステージを愛し、マイクを愛した男の情熱は、周囲の人々の心に消えることのない熱火を灯したのだ。