麺との組み合わせにも、それぞれのこだわりが存在する。本場のボロネーゼには、小麦の香りが強くモチモチとした食感の平打ち麺「タリアテッレ」(またはフェットゥチーネ)を合わせるのが鉄則だ。濃厚で重量感のある肉ソースが、平たい麺によく絡みつくからである。ボローニャの現地人が、スパゲッティにボロネーゼをかけて食べる姿を見ることはまずない。
しかし、ミートソースの場合は話が別だ。私たちが慣れ親しんだ丸くて細い「スパゲッティ」が最もよく合う。サラッとしたトマトベースのソースが、麺の隙間に滑り込み、フォークで巻き上げたときに絶妙なバランスで口に運ばれる。フォーク一本で手軽に食べられるカジュアルさも、ミートソースが日本で愛され続ける理由だろう。