田舎から上京してきた主人公・桜木ひな子は、極度のあがり症でありながら「高校で演劇部に入る」という強い目標を抱いていた。しかし、憧れの演劇部が休部中だと知り絶望に暮れる。そこで彼女を救ったのが、下宿先であるひととせ荘の住人たちだった。自分たちの手で劇団を作る——その途方もない挑戦が、彼女たちの日常を大きく動かし始める。
主人公が動物を引き寄せる「リアル案山子(かかし)」になってしまうコミカルなビジュアル描写は、視聴者に強いインパクトを与える。しかし物語の真骨頂は、その奇抜な設定の裏にある緻密な心理描写だ。人前で声を張ることすら困難だった少女が、舞台の上で役になりきることで自我を解放していく姿は、観る者の胸を打つ。