1970年に公開された長編アニメーション映画『おしゃれキャット』は、陽気な野良猫オマリーと洗練された地域社会の架け橋となる音楽劇だ。都会的なジャズのビートと甘美なロマンチック・コメディの要素が絶妙に絡み合い、公開当時から批評家の高い評価を得てきた。
その中でも、長兄トゥルーズ、次兄ベルリオーズとともに旅をする末っ子マリーのキャラクター造形は際立っていた。「レディは喧嘩をしないけれど、仕掛けられたら負けない」という名台詞に象徴されるように、可憐な見た目とは裏腹な芯の強さが漂う。このギャップこそが、フェミニズムや個性の尊重が叫ばれる現代社会において、新たな共感を生む源泉となっている。