そもそも、この数字がどれほど異常なのか。私たちが日常で使う「億」や「兆」、あるいは「京」や「無量大数」すら、この数に比べれば誤差にすらならない。仏典において「説くことも、語ることもできないほどに回転する(積み重なる)」という意味を持つこの単位は、文字通り人間の思考の枠組みを破壊するために用意されたようなものだ。
インドの古代思想家たちは、なぜこれほどのスケールを必要としたのか。それは、宇宙の広大さと、そこに存在する因果関係の無限性を表現するためだったと言われている。単なる数学的遊戯ではない。彼らにとって、世界を記述するための必須の言語だったのだ。