1980年代の輝かしい音楽シーンにおいて、二人の存在感は群を抜いていた。圧倒的な歌唱力と物憂げな表現力で瞬く間にトップ歌手へ登り詰めた中森明菜と、情熱的なパフォーマンスと男らしい魅力で一世を風靡した近藤真彦。まさに時代の寵児同士の出会いは、必然だったのかもしれない。
二人の接近を決定づけたのは、1985年に公開された映画『愛・旅立ち』での共演だった。スクリーンのなかで熱演を見せる二人の姿に、ファンやメディアはフィクションを超えたリアルな感情を感じ取っていた。当時、80年代アイドルを象徴するビッグカップルの誕生は、昭和歌謡の黄金期を象徴する極めて華やかなニュースとして連日大きく報じられたのだった。