マーケティングの世界でも、この波は見逃せない。TikTokやInstagram、YouTubeで人気を集めるのは、洗練された高級料理のレビュー動画ではない。大きなおにぎりを頬張り、ラーメンのスープを幸せそうに飲み干す、飾らないクリエイターたちだ。
「あくびがうつるように、美味しそうな顔は強烈な購買意欲を引き起こします」。外注マーケティングを手がけるアナリストは指摘する。事実、ある地方の定食チェーンが「最高に美味しそうにご飯を食べる一般客」を起用したショート動画広告を展開したところ、来店数が前年比で200%以上跳ね上がった。理屈抜きの「食欲への訴求」が、複雑な広告戦略をあっさりと凌駕した瞬間だった。