2015年に発表された手記『絶歌』は、遺族の強い反対を押し切る形で出版され、社会的な大論争を巻き起こした。あの出版劇から10年以上が経過した今、元少年がどのような人生を歩んでいるのかについて、公式な情報は途絶えている。
日本において、重大事件の元少年受刑者が更生と社会復帰を図る際、戸籍上の名を変更する「改名手続き」が認められるケースが存在する。だが、インターネットの検索エンジンやアーカイビングサービスが高度化する中で、過去の履歴を完全に抹消することは実質的に不可能に近い。改名後の生活基盤が整ったとしても、ふとしたきっかけで過去が暴露され、居住地を転々とする生活を余儀なくされる実態が浮かび上がる。