偽膜性声帯炎の最大の特徴は、「発声障害の急激さと重さ」にあります。初期には一般的な喉風邪のようなイガイガ感や微熱、咳から始まりますが、数日以内に以下のような特徴的症状が現れます。
主な自覚症状としては、ささやき声すら出にくくなる高度の発声困難、発声時の強い絞扼感(喉が締め付けられる感覚)、喉の奥の異物感や乾燥感、そして物を飲み込む際の違和感などが挙げられます。
ここで混同されやすいのが「偽膜性喉頭炎(クループ症候群)」との違いです。偽膜性喉頭炎は主に乳幼児に多く見られ、声帯だけでなく喉頭全体が腫れて「犬が吠えるような咳(犬吠様咳嗽)」や呼吸困難を伴う救急疾患です。一方、成人に多い偽膜性声帯炎は、病変が主に声帯局所に集中するため、呼吸困難にまで至るケースは稀ですが、発声機能に甚大なダメージを与えます。
また、「この病気は他人にうつるのか?」という疑問を抱く方も多いですが、偽膜そのものが他人にうつるわけではありません。ただし、偽膜を形成するきっかけとなったインフルエンザやアデノウイルス、溶連菌などの病原体は飛沫や接触によって感染するため、周囲への二次感染対策は通常の風邪と同様に必須となります。