1980年代半ば、少女漫画誌『りぼん』の紙面は乙女チックな恋愛模様や繊細な絵柄が主流だった。そこに彗星のごとく現れ、従来の「少女漫画」の概念を根底から粉砕したのが岡田あーみんである。デビュー作『お父さんは心配症』で見せた常軌を逸したハイテンションなギャグ、予測不能なコマ割り、そして一度見たら頭から離れない強烈な顔芸描写は、当時の小中学生読者に強烈なトラウマと熱狂的な愛を植え付けた。
しかし、作品の狂乱ぶりとは裏腹に、著者自身のメディア露出は極めて限定的だった。サイン会や誌面企画などで露出した僅かな情報を除き、彼女は徹底して個人のプライバシーを守り抜いた。この「紙面のテンション」と「本人の秘匿性」の落差こそが、ファンの探求心を刺激し続ける最大の原動力となっている。