東京タワーの圧倒的な姿を写真に収めるなら、人波に揉まれる正面広場だけにとどまるのはもったいない。園内を少し歩くだけで、切り取り方次第でまったく表情の異なる構図が無数に見つかる。特に4号地プロムナードの並木道は、生い茂る木々のトンネルの奥にシンボルタワーがまっすぐそびえ立つ、映画のワンシーンのような奥行きを描き出せる名所だ。
さらに、弁天池にかかる小橋のたもとから水面に映るタワーの影を狙うアングルや、芝生広場から見上げるダイナミックな煽り構図は、訪れる時間帯によってドラマチックな陰影を見せてくれる。日中は観光バスの到着とともに広場周辺が混み合うため、静かな撮影を求めるなら朝7時から9時の時間帯が狙い目だ。朝露に濡れた木々の香りと澄んだ朝光に照らされる鉄塔は、昼間の喧騒とは別世界のような清々しさを漂わせている。
夕暮れ時のブルーアワーも外せない。空が群青色に染まり、タワーのライトアップが灯る瞬間の美しさは格別だが、日没直後は三脚を抱えた愛好家が集中しやすい。混雑のピークを避けたい場合は、増上寺の境内側へ抜け、大屋根越しに光る鉄塔を狙うと、落ち着いた雰囲気の中で情緒豊かな一枚を切り取ることができる。