ガムシロップという不思議な呼び名の背景には、19世紀から続く製糖技術の歴史が深く関わっています。お菓子などに使われるゴム状のガム(gum)を連想しがちですが、その語源となったのはアカシアの木から採取される天然の増粘多糖類「アラビアガム」です。
かつて砂糖水を高濃度に煮詰めてシロップを作ると、冷えた際に砂糖が再結晶化して底に固まってしまうという技術的な課題がありました。そこで結晶化を防ぎ、滑らかなとろみを維持するための安定剤としてアラビアガムを微量に添加したのが始まりです。この製法で作られたシロップが「ガム・シロップ(Gum Syrup)」と命名され、世界中に広まりました。
現代の一般的な製品にはアラビアガムが使われていないケースがほとんどですが、当時の名称がそのまま定着し、現在も親しまれています。