金曜日の午後11時半、都内某所の路地裏。周囲の飲食店がシャッターを下ろし始める中、ひときわ眩しいLEDサインがアスファルトを照らす。漂ってくるのは、焼き立てのワッフルコーンの香ばしさと、乳脂肪分の高いミルクの甘い香りだ。並んでいる客層は驚くほど多彩である。居酒屋帰りのグループはもちろん、デート中のカップル、ロードバイクで乗り付けたソロの男性まで、目当てはただ一つ、深夜にしか手に入らない冷たい芸術品だ。
「この背徳感があるからこそ、わざわざ並んで食べる価値があるんです」と、テイクアウトカップを受け取った20代の女性は語る。彼女のスマートフォンにはInstagramのストーリーズ画面が開かれており、ネオンの光を浴びたパフェが美しく収められていた。短尺動画プラットフォームのTikTokでも、深夜のドライブがてらスタンドへ立ち寄る様子を収めたクリップが数百万回再生を記録している。手軽な非日常体験とビジュアルの強さが、SNSのアルゴリズムに乗って夜の街へ人を送り出している。