国の統計には主に二つの大きな軸が存在する。厚生労働省と文部科学省が共同で実施する「大学等卒業者の就職状況調査」と、文部科学省が独自に行う「学校基本調査」だ。両者の数値の違いに戸惑った経験を持つ就活生や保護者も多いはずだ。
「大学等卒業者の就職状況調査」は、就職を強く希望している学生を抽出したサンプル調査であり、最初から「就職をあきらめた者」や「公務員浪人」を分母から排除しているため、数値が高く出やすい。一方で「学校基本調査」は全卒業生を分母とする全数調査であるため、未進路者や進学者の割合がダイレクトに反映され、よりシビアな現実に近い数字が現れる。公表数値だけに惑わされず、二つの統計の構造的違いを理解することが、客観的な市場分析の第一歩となる。