この極めて危険な状況を引き起こす最大の要因の一つが、同じ場所に猛烈な雨を降らせ続ける「線状降水帯」です。線状降水帯による命の危険が予測される場合、気象庁は「顕著な大雨に関する情報」や各種特別警報を矢継ぎ早に発表します。
大雨特別警報の発表基準は、過去数十年の降雨データと比較して遥かに上回る雨量が観測され、重大な土砂災害や浸水害の発生が切迫していると認められた場合です。気象レーダーやスーパーコンピュータの予測精度が向上した現在でも、局地的な積乱雲の連続発生を数時間前に完璧に特定するのは容易ではありません。
そのため、危険度が急激に跳ね上がるリアルタイムの危険度分布(キキクル)で「黒(災害切迫)」や「紫(非常に危険)」が表示された段階で、即座に最大級の警戒が呼びかけられます。線状降水帯が一度形成されると、わずか30分から1時間で道路が川と化し、避難経路が寸断されるため、気象庁も異例の強い語気でアラートを鳴らし続けるのです。