あいみょんの名を不動のものにした「マリーゴールド」や、ブレイクの口火を切った「愛を伝えたいだとか」。これらの代表曲を聴けば、彼女の言葉作りの妙がより鮮明に浮かび上がる。ノスタルジックなメロディに乗せられるのは、胸を締め付ける甘酸っぱさだけではない。どこか湿り気を帯びた生活感や、身体の距離感を匂わせる生々しさが潜んでいる。
情景描写の行間に漂うほのかな官能性は、聴き手ごとに異なる情景を幻視させる。言葉の端々に隠された文学的な余白こそが、リスナーの記憶や体験と共鳴し、深い没入感を生み出している理由なのだ。