島根県邑南町は、広島県境に隣接する自然豊かな中山間地です。「A級グルメのまち」を掲げ、地域資源を活かした独自のブランディングを展開してきました。しかし、少子高齢化と過疎化の流れは止まらず、町外からのファミリー層や若年層を呼び込むための新たな大型集客拠点の創出が行政課題として浮上していました。
そうした中で提案されたのが、町内の既存レジャー施設や公園の再整備に合わせ、全長数百メートル規模の屋外大型ウォータースライダーとレジャープールを新設する観光開発計画でした。近隣の広島都市圏からの日帰り・宿泊客の誘客を見込み、夏季の観光ハイシーズンに圧倒的な集客力を生み出すという構想が描かれていたのです。
当初の目論見では、山あいの雄大な地形を活かしたアクティビティとして全国的な話題性を狙い、落ち込む観光消費の反転攻勢を期していました。しかし、この壮大なプランが公表されると同時に、町内外からは想定をはるかに超える疑念の声が噴出することになります。