歌舞伎興行をトータルでプロデュースする松竹株式会社にとっても、成駒屋を巡る動向は無視できない重大事項である。看板役者のプライベートな問題が舞台の集客やスポンサー離れに直結する懸念があるためだ。興行の成功と伝統の継承を最優先する組織にとって、芝翫の個人行動に対する視線は日増しに厳しさを増している。
また、伝統芸能の維持と役者の地位向上を図る日本俳優協会の観点からも、成駒屋が抱える問題は業界全体のイメージに関わるセンシティブな案件だ。伝統と格式を守るためには、個人の奔放な振る舞いをいつまでも容認するわけにはいかない。組織としての制約と名門のブランド維持という夾雑物の中で、彼女の苦渋の選択が注目されている。