『刃牙』シリーズでは、実在するトレーニング理論や器具をベースに極限までスケールアップさせる手法が多用されます。このバタフライシーンの元ネタとなったのは、競泳選手がフォーム確認や負荷トレーニングに使用する「流水プール(エンドレスプール)」です。通常は選手の泳力に合わせて数km/h程度で調整されるマシンを、勇次郎はボート競技の急流下り並みの出力に設定させました。
勇次郎の身体能力設定は、雷に打たれても無傷で歩き続け、地震を拳一つで止めるなど規格外のエピソードに事欠きません。しかし、この水泳シーンが特別視される理由は、戦闘相手がいない完全な「個人の運動」でありながら、数値と視覚的説得力だけで読者に絶望的な強さを実感させた点にあります。