日本中を大きな衝撃が包んだのは、2011年10月24日のことでした。東京都内の自宅にいたKEIKOは、首の後ろに走った激しい痛みを訴えて突然倒れ、都内の病院へ緊急搬送されました。診断結果は、脳の血管が破れる「くも膜下出血」。約5時間に及ぶ緊急開頭手術が行われ、一命を取り留めたものの、当時の医療現場の緊迫感は極めて高いものでした。
くも膜下出血は発症者の約3分の1が命を落とし、残る3分の1にも重度の麻痺や言語障害などの後遺症が残るとされる非常に危険な疾患です。早期の発見と迅速な救急搬送、そして名医による的確な処置が功を奏したことで、KEIKOは奇跡的に早期の危機的状況を脱することに成功しました。しかし、ここから彼女にとって長く過酷なリハビリの日々が幕を開けることになります。
発症直後は絶対安静が求められ、ファンの間では「もう二度とあのハイトーンボイスを聴くことはできないのではないか」という悲痛な不安が広がりました。表舞台から完全に姿を消した歌姫の病状は長らくベールに包まれ、静かな闘病生活が続くこととなったのです。