私たちがなぜこれほどまでにあの物語に魅了されたのか。それは「次に何が起こるか分からない」という純粋なワクワク感を、久しぶりにテレビの前で体験できたからに他ならない。一瞬の目線の動き、セリフの端々に仕込まれた伏線。毎週日曜日、放送開始の数分前からテレビの前に正座して待つあの感覚は、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する現代社会において極めて贅沢な時間だった。
デジタルコンテンツが溢れ返り、消費されるスピードが加速する時代。だからこそ、じっくりと時間をかけて作られた重厚なストーリーテリングが持つ力は失われない。あの激動のドラマ体験が遺した熱源は、冷めるどころか、次なるエンターテインメントの革新へ向けて今もなお静かに燃え続けている。 (出典: 日曜劇場 vivant(Yahoo!ニュース))